時は節約なり。住宅を持つためのお金がなければ、時間で賄えばいい。そうやってアメリカのカップルは、ボロボロのエアストリームをモダンなモバイルホームへと蘇らせました。地道な手作業の日々から生まれた、ミレニアル世代のアメリカンドリームです。
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米国アーカンソー州に住むザックとコリーンのカシオ夫婦は、小さな2人の息子を持つ4人家族。カップルは、モバイルホームで全米各地を巡って、いろんな景色やカルチャーを体験したいと思っていました。
1972年製のエアストリーム・ソヴリン(Airstream Sovereign)が、クレイグリストで3,000ドル(約32万円)で売られているのを見つけた2人は、夢を実現させるために購入。状態は決して良くありませんでしたが、エアストリームは2人にとって憧れのブランド。31フィート(9.5m)という車体は、タイニーハウスとしても申し分のない大きさでした。
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夫婦は子育てをしながら協力しあって、2年間を費やしてエアストリームをリノベーション。期間には、資金を使い果たしたため中断せざるを得なかった8カ月のブランクが含まれています。
「エアストリームのリノベはとても困難でした。エアストリームはユニークで、ほかのキャンパーとはまったく違うし、わたしたちにとってのはじめてのリノベーションだったので。 時間はかかりますが、それがDIYのリノベというものでしょう」 とザック。
カシオ夫婦の忍耐強さには驚かされます。子供たちが作業のじゃまをしても、怒ったりイライラすることなく、リベット打ちで一緒に遊んであげたり、子育てとリノベーションをストレスなく両立しています。
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エアストリームのモダンな室内には、ツインサイズカウチ、カスタムキャビネット、キングサイズベッド、キッチン、バスルームがあり、ルーフトップエアコン、オーブン、コンロ、電子レンジ、2ドア冷蔵庫、給湯器、TVなどの電化製品を備えています。
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子供たちと一緒に眠るためのキングサイズベッドを備えるため、バスルームの位置は後部から中央の脇に移動。バスルームの大きさは0.9m×1.5mで、バーチ材の洗面台、コンポストトイレとシャワー、腰掛けとペニータイル張りの防水パネルが備わっていて、機能的で素敵なデザインに仕上がっています。
ベッドルームの15cm厚の形状記憶フォームのマットレスの下には、必要なものをすべて格納するためのストレージが隠されています。夫婦それぞれの靴箱スペースもそこにあります。ベッドの頭部の側には書庫が備わっています。バーチ材の合板が、ベッドとキッチンのカスタムキャビネット、ソファ、クローゼットとバスルームの壁を作るのに使われました。
2人の小さな男の子が遊ぶための、ツインサイズカウチのオープンスペースも家族にとって必要なものでした。広いソファは窓からの景色をリラックスして十分楽しむことができます。将来的に子供たちが大きくなったら、ソファスペースをダイネットに変えることを計画しているとのこと。
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定住に耐えられる収納付きキッチンも重要な要素です。炊飯器、ミキサー、電子レンジ、トースター、パニーニプレスなどの機器を収納するために余裕のある造りにする必要がありました。いくつもの奥行きのある引き出しの中には、棚ユニットがあります。カウンタートップは、エイジング塗装されたバーチ合板にポリアクリル・コーティングを施したもの。
「ほとんどのRVでは、キッチン用にプロパンを使用していますが、わたしたちは安心と安全のためにオール電化を選びました。 電子レンジと複数の電化製品を同時に使用しても何も問題はありませんでした」と2人。
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フローリングには、コンクリートグレー・コルクが使われています。耐久性が高くて美しくインテリアにマッチしますが、子供たちと犬にとっては少し滑りやすい欠点があります。コルクでフローリングの下張りを覆ったことで、断熱性が格段にアップしました。
インテリアの壁には、くすんで汚れていたオリジナルのアルミニウムの内壁の代わりに、3mm厚の下張り材が使用されました。木材がエアストリームの曲線に対して十分に湾曲するだけでなく、価格も格安でした。
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以下が、エアストリーム・ソヴリンのリノベーションの総費用23,000ドル(約250万円)の内訳です:
中古エアストリーム(3,000ドル)、フローリング(1,400ドル)、電気設備(1,100ドル)、配管(700ドル)、エアコン&ファン(1,900ドル)、木材(2,500ドル)、タイル(1,600ドル)、ベッド装飾(700ドル)、照明(500ドル)、トイレ(1,000ドル)、車軸&貯水タンク(1,500ドル)、断熱材(1,500ドル)、リベット&シーリング(1,000ドル)、トレーラーパーツ&アクセサリー(700ドル)、電化製品(1,800ドル)、カウチクッション(600ドル)、その他(1,500ドル)。
夫婦は、エアストリームのリノベ経験を最大限に活用しています。2つのWebサイトでリノベーションの記録を公開して、最適だと判断して採用した設備や機器、材料をAmazon.comにアフィリエイト。依頼を受けてリノベを施した2台目のエアストリームとカスタムトレーラーハウスは、すでに売却済みです。体験してみたかったバンライフのためにバンコンも1台実施。現在、ガレージには2台のエアストリームがリノベーション希望者を待っています。2人は2年間のリノベ経験をスキルに変えて、賢くマネタイズしているというわけです。
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「エアストリームのリノベは、わたしの得意なことを発揮できるものです。デスクワークはわたしのようなタイプのためのものではありません。わたしは自分の手を使って、おんぼろで今にも壊れそうなものをリノベーションして、ピカピカに完成した姿を見るのが大好きなんです」と、ザックは語ります。